実銃レビュー/Ruger10/22 Tactical

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mark_one_10-22-01ハワイの夏は雨が少なく観光にも最適!

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ストレス・フリーの.22LR(LongRifle)弾

今回は、.22LR弾を使用する、スターム・ルガー10/22(Ten-Twenty-two)を紹介したいと思う。海外で実銃を撃つ人の中には.22LRは迫力が無いのでチョット・・・。と敬遠されることも多いかも知れないが、眼高手低な私自身、近年は.22LRの射撃が楽しく思うようになってきたし、同年代の米国人にも同じ意見の者が多い理由もある。

例えば、.22LRのプリンキング(お遊び)射撃は発射音もリコイルも少なく、50m前後のターゲットにビシビシと当たる面白さは軍用の5.56mmや7.62mmとは一味違った楽しさがあり、その意味では初心者にもストレス・フリーなライフルである。実弾射撃は何も軍隊や警察の銃だけを撃つことだけが目的ではないのだ。

しかし、.22LR(HV=High Velocity弾)を10/22の様な銃身長400mmのライフルで発射すると、弾速が増すので、エネルギーは同クラスのハンドガンの約1.5倍の170Jにもなり、.380ACP並みのエネルギーを叩き出しているので侮れない。

前回は、実銃のS&Wリボルバーの精度について述べたが、10/22なら25mでもコンスタントに20mm以内に集弾するので、その意味で実銃の性能を体感するにもお勧めの銃だ。

mark_one_10-22-02マークワンのコースでも最初に体験頂くのがこの10/22である。

mark_one_10-22-03スターム・ルガーとは、旧ドイツ軍の「Luger」ではなく、米国の「Ruger」である。

Ruger 10/22 Tactical(Talo Model )
口径:.22LR(Long Rifle) 銃身長:400mm
装弾数:25+1発 全長:860mm
重量:2400g 作動方式:シンプル・ブローバック
50mの平均グループ:60mm

mark_one_10-22-04.22LR弾はリコイルも軽くて、ストレスフリーだ。

半世紀を超えるロングセラー

米国でスターム・ルガー社の名銃と言えば、ハンドガンならMK II ~ IVシリーズ、そしてライフルならば、間違いなく、この10/22シリーズだ。まず、射的屋目線で10/22の魅力と問題点を挙げてみた。

Ruger 10/22 Tacticalの魅力
・弾が安価で、優れた命中精度を発揮する
・リコイルが少ないので、発射後の弾着を見切りやすく、フォロー・スルーの練習になる。
・亜音速弾を使用できるので、消音機を付けると効果が高い。
・銃身をテイク・ダウン出来るのでクリーニングが容易
・カスタム・パーツが豊富。

Ruger 10/22 Tacticalの問題点
・ライトロード弾のジャムの発生率が高い
・マズルキャップやマウントが緩みやすい
・マガジンの脱着に手間がかかる。(要改造)
・アクション・オープン、ボルト・リリース時にコツが要る(要改造)
・初速が遅く、風の影響を受けやすいので、100m前後が実用限界射程

mark_one_10-22-05.22LRは、5.56mm(左)と同じ口径。

mark_one_10-22-06Nikkon製の3倍スコープを装備。50mを撃つには充分。

M4、AR-7との比較

女性に10/22(.22LR)とM4カービン(5.56mm)と撃たせると、50mではその差が少ないどころか、10/22の方が良く当たる人が多い。初心者には、大きな発射音やリコイルがストレスとなり、射撃の結果が残せないことも多いのだ。

高倍率のスコープを使用すると 1000fps前後の亜音速弾を撃った際にターゲットに向かって進む弾が筋となって見える時もある。また、風による弾着のズレも分かり易い。また、.22LRは100mになると、一気に、弾速が落ちて5.56mmに比べても着弾地点も下がり、グループ(集弾)も広がってしまう。エネルギー面からも限界射程が短いことは否めない。この点から、米国の執行機関ではは既に、.22LRが使われない理由が分かる。

.22LRのライフルとしては、何と言っても、60年代に米空軍のサバイバル用に一時採用されたAR-7が有名である。ストック内に銃身や機関部を収納できるなどのユニークな銃であるが、操作性や作動性も今一つで、何よりAR-7には光学サイトを搭載できないことが、致命的である。

もっとも、その点では、10/22にも機関部周辺には改良(改造)を要する箇所も多い。名銃といっても既製品はメーカーの手抜きが満載なのだ。

mark_one_10-22-07消音機用スレッド(ねじ切り)付ヘビーバレルを装備。

mark_one_10-22-08バレルをテイクダウン(取り外し)出来ることがメンテ時には嬉しいが、機関部には改良を要する箇所が多い。

Ruger 10/22 Tacticalの実射とコツ

海外の観光射撃では、初心者や女性はハンドガンを撃つ方が簡単に思えるかも知れないが、ライフルを先に撃つ方がお勧めだ。何故なら、ベンチ(机)の上からの安定した射撃ポジションが取りやすいので、楽に撃てるからだ。

mark_one_10-22-09射撃場には大きな屋根があるので、夏でも快適

しかし、50m先のターゲットを狙う場合は、ある程度の体のブレを抑えないと、ターゲットを外してしまう。男性の場合は、トリガーに「グイッ」と力を掛け過ぎる傾向もある。10/22のような重量の軽い銃は、トリガー・プルの影響を受けやすいので、下手をするとガン・ユーザーとしてお手本を見せるつもりが、同行した奥様に完敗する要因ともなりねない…。

mark_one_10-22-1150mからの射撃結果(ターゲットの直径は約75mm)

オリンピック等で使用される.22LRのスモール・ボア競技銃ならば、50mで10mmを切るが、汎用セミ・オートの10/22であれば、75mm程度に収まれば充分である。ハワイでも遊びでゴルフ・ボール等のアクション・ターゲットを撃てるので、命中するとポンポンと跳ね上がるので面白い。射撃は本人が楽しめれば良いのだ。

次回はマーク・ワン開設1周年を記念して、実銃RAS47(AK47)について語ります。

キャプテン中井(きゃぷてんなかい)
元陸上自衛官 レンジャー資格保有。NRAインストラクター、レンジ・セフティ・オフィサー、渡米歴26年。
著書:GunProfessional「撃たずに語るな」、「世界の銃最強ランキング 」学研

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